10代のとき工場の短期バイトで同年代の子と友達になり、その子のメールアドレスを携帯電話に登録した。女子で「ゆうきちゃん」だからyukiXXXXとかそういうメアドだったと思う。
ある日、出先ではじめてゆうきちゃんに他愛のないことを書いてメールをしてみた。そのメールに帰ってきた返事が。「メールの送り先間違ってますよ」だった。
ゆうきちゃんがふざけて知らない人のふりして私にメールをおくってきてるんだと私はそのとき思った。
それで、私は一方的に、メールを送った先からの返事「メールの送り先間違ってますよ」を無視というか、みずにそれはなかったことにして、同じ人に、峰倉かずやの『最遊記』の玄奘三蔵のよさを延々とメールで力説しつづけた。
それにたいして帰ってた返事が。「さっきから書いてるけどメールの送り先間違えてるって。しかも『最遊記』じゃなくて、『西遊記』の間違いでしょう」という返事だった。
変だなと思ってかたまっていたら、ゆうきちゃん本人がどこからともなくあらわれた。かたまってる私にどしたみたいなこと言ってきたので、メールの画面をゆうきちゃんに見せた。
「〇〇が送ってる相手、私じゃないよ、それ。登録してるメールアドレス間違えてるよ」
確認すると、本当に間違えていた。
……間違えてメールを送信し続けた人にもちろんすぐに謝罪のメールを出した……。
あのときこちらが一方的にひらすら送信し続けた人に、今ふと思い出して申し訳ない気持ちでいっぱいです。2001年夏ごろのできごとでした。そして、思うのは落ち着いて人の言っている話はちゃんと見よう(聞こう)自分。
今でもたまに、自分のいいたいことばっかり頭にあって、相手の言うことに対しては思い込みで判断しそうになることがある……気を付けようと思う。
失敗してしまったことはもうどうしようもない。仕方ないけれど、これから先の人生でがんばります。